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 今までご紹介できなかった渡邉邸にまつわるエピソードや、周辺の情報などをチョコットご紹介いたします。


その6 「木羽剥(こばは)ぎ」                                  2015.9.24

石置木羽葺(いしおきこばぶき)屋根

 渡邉邸の大屋根は、「石置木羽葺屋根」という日本海側特有の屋根で覆われています。木羽と呼ばれる杉板を約22万枚並べ、それを約15000個の川原石で押さえたもので、現存する石置木羽葺屋根の建造物の中では日本最大の規模を誇ります。木羽を羽重ねにし、1段ごとに向きを替えて雨漏りしにくく工夫されていますが、木羽を裏返したり、痛んだ木羽を新しい板と差し替えたりする手入れが欠かせません。
      


◆ 木羽剥ぎ
 木羽の材料は栗やサワラが一般的ですが、この地方では杉を使います。渡邉邸では、油気の多い樹齢80~120年の杉の木を幅9~21cm、長さ36cm、厚さ3mm程度に薄く手割りしたものです。木羽はナタを使い、木の繊維を見ながら全て手作業で剥がすようにして割っています。ナタで割った木羽は正目がくっきり表れ、表面が凸凹しています。雨水は正目に沿って流れ落ちるため、水が溜まらず雨漏りしにくい利点があります。もしノコギリや機械で切断すると木の繊維まで一緒に切れてしまい、水が浸み込んで腐りやすく、また天日で反り返り雨水で密着してしまうため、屋根材には向きません。
       
       ▲杉は薄く割り易い木材ですが、長く均等な厚みで割るのは難しく、熟練の技術を要します。


◆ 職人
 戦前は関川村の民家の9割が石置木羽葺屋根で、当時は屋根葺き職人が十数人、別に木羽剥ぎ専門の職人もいましたが、戦後、瓦が普及するにつれ職人は年々減少。50年以上渡邉邸の屋根を守ってきた鈴木弘さんは、寺など文化財を中心に全国164箇所の屋根に関わり、文化庁長官表彰や黄綬褒章、新潟県選定保存技術者の認定も受けた大ベテランでしたが、平成18年に引退。その後は地元の木羽葺き職人が途絶えてしまったため、後継者の育成が緊急の課題となり、翌年「木羽葺き学校」を創設。鈴木弘さんが初代校長となり、技術の伝承が始まりました。1人前になるまで10年かかる木羽葺き職人。現在は第1期生だった三須眞さんが2代目校長となり、さらなる後継者の育成に努めているところです。 
      
        ▲大ベテランの鈴木弘さん          ▲三須眞さんの木羽剥ぎ実演(不定期開催)





 
 バックナンバー
 
  ◆その5 「大蔵神社祭礼」 (2013.8.22)
  ◆その4 「米蔵ギャラリー開設」 
(2013.3.18)
  ◆その3 「文化財の冬景色」 (2012.3.14)
  ◆
その2 「1月の渡邉邸」 (2012.2.10)
  ◆
その1 「雪景色」 (2012.1.18)

  
 


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